真の友達は世界のどこかに必ずいる。ゴールデン・グローブ受賞作『ミッシング・リンク』監督が語る
「アニメファンの僕としては制作の裏側は全部知りたいし、ブルーレイの特典映像だってぜんぶチェックしたいんだけどね」と笑顔で前置きしたバトラー監督は「しかし映画をつくる上では、制作手法を“フェティッシュ化”することと、“良い物語を語ること”の間には一線をひくようにしている」という。「ストップモーション・アニメは制作の裏側がワクワクするからみんな語りたいし、アニメーターも“自分が担当するカットは誰も観たことがないショットにしたい”と思うかもしれない。でも、映画全体から見ると、抑制の効いた動きにした方がいいシーンだってあるんだ。だから監督としては一歩ひいた場所から全体を見るようにしているし、観客が“よくできたパペットだね”じゃなくて“良いキャラクターだね”って言ってもらうことを目指しているんだ」
さらに本作では2Dアニメーションで使われるような表現の様式化や、人間の目の錯覚を利用した奥行きの表現、CGを活用したエフェクトなども組み合わせて、新たなアニメーション表現に挑んでいる。「脚本や画コンテの段階ではアニメーションではなくて、あくまでも映画の脚本やコンテを書いているんだ。僕は僕はストップモーション・アニメ至上主義者じゃないから、いつだって新しいことは何かできないだろうか?と考えるんだよ」