真の友達は世界のどこかに必ずいる。ゴールデン・グローブ受賞作『ミッシング・リンク』監督が語る
そこで本作でバトラー監督はこれまで以上に“実写映画のテイスト”を作品に盛り込むことに注力した。「そうだね。そこは追求した部分で、特にアクション表現にはこだわったよ。通常のストップモーション・アニメは脚本ができると、撮影に手間のかかる部分をカットすることがある。でも、今回の映画ではそれをやらなかった。アクションを実写映画みたいに描こうとすると、短いショットを積み上げていくわけだけど、そうなるとたった8コマだけ撮影するために2日間かけてセットを組んで撮影しなければないらない。普通ならそんな労力はかけない。でも、この映画ではその労力をみんなでかけたんだ」
完成した映画を観ると、監督と仲間たちがアクションシーンに時間とアイデアと労力を投じた理由がわかる。
本作『ミッシング・リンク』は、未確認生物の発見に人生をかける英国紳士ライオネル・フロスト卿と、彼が米国ワシントンの森で偶然に出会った人間の言葉を話す不思議な生き物“Mr.リンク”の冒険の物語だからだ。ふたりは、リンクの仲間が住んでいるというヒマラヤを目指す大冒険の旅に出かけ、追っ手や様々なトラブルに巻き込まれる中で確かな友情を築いていく。
「この映画と前作『パラノーマン』には共通しているテーマがある」