語り芸に魅せられた玉川奈々福が“惚れるひと”を紹介する人気シリーズ第3弾
と推す。一方、神田阿久鯉は1996年に三代目神田松鯉に入門し、現在、弟弟子の神田伯山の姉弟子と共に講談界を牽引する実力派だ。女性であることを活かした温かみと男性顔負けの迫力を併せ持つその芸は、奈々福に「阿久鯉先生の規矩正しい素晴らしい高座。女性の芸人さんで私が惚れている方ナンバー1です」と評されている。このふたりの高座に加え、奈々福が数多くの海外公演を一緒にこなしてきた曲師・沢村美舟の三味線で浪曲を披露する。
日本にあまたある語り芸の中でも「日本三大大衆話芸」と言われる浪曲と落語と講談は近しく、同種の題材から生まれた演目も多い。と同時に、他にはない特色がそれぞれにある。形式だけで言っても、ひとりで語る落語と講談に対して浪曲は三味線とセットだし、同じひとりでも、講談は釈台と張り扇(おうぎ)で語るが、落語は折に触れて手ぬぐいと扇子を用いながら話す。
勿論、話芸そのものも異なっている。「奈々福の、惚れるひと。」は、それらの違いを楽しみ、語り芸の豊かさを満喫できる絶好の機会なのだ。
撮影:橘 蓮二
『奈々福の、惚れるひと。』
出演:五街道雲助神田阿久鯉玉川奈々福(曲師:沢村美舟 )
※曲師・沢村豊子が休演の為、沢村美舟が代演となります
開催日時:10月7日(水)