2021年11月17日 17:00
「モリーナが好きなアイテムを身につけ役を獲得できたら」ミュージカル『蜘蛛女のキス』石丸幹二×日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)インタビュー
これを、社会派の人間ドラマに定評のある日澤さんが演出したら「一体どうなるんだろう?」ってね。
日澤普段はチョコレートケーキという劇団で、ストレートプレイの演出をしています。大原櫻子さんが主演した『リトル・ヴォイス』などで音楽劇の経験はあるんですが、グランドミュージカルを手がけるのは初めてでして。「ホリプロさんは何を意図して僕にオファーを?」と正直驚きました。でも演目の成り立ちやバックボーンを知って、いろんなことを議論するうちに「演出家のキャリアを重ねるうえでも絶対に向き合うべき作品」と感じるようになって。
――それほどまで感じる『蜘蛛女のキス』の魅力って?
ミュージカル『蜘蛛女のキス』稽古場より
日澤音楽が物語と絡み合っていて、何ひとつ無駄がないところでしょうか。1曲で成立しているナンバーでもやがて重層的に積み重なって、モリーナとバレンティンの関係を変えているような。物語が進んでいくと、メロディの中に前のシーンで使った象徴的なフレーズがちょっとだけ入ってくるんです。
たとえば「蜘蛛女のテーマ」にあるメロディラインは、いたるところに登場する。バレンティンとモリーナに合わせて楽曲も並走している感じが「本当にうまいな!」