気鋭、中島梓織主宰のいいへんじが2025年8~9月に新作『われわれなりのロマンティック』を上演
フェミニズムサークルで出会ったクワロマンティックの男女が、自分たちと友人たちのパートナーシップに向き合い、試行錯誤し続ける十年間の物語を描く。「ともに考える“機会”としての演劇作品の上演を目指す」という彼らが、どんな世界を打ち出すのか、注目される。
■いいへんじ主宰、作・演出中島梓織「上演にあたって」全文
クワロマンティックとは、自分が他者に抱く好意が恋愛感情か友情か判断できない/しない恋愛的指向(romantic orientation)のことです。
思えば、これまでずっと、誰かに対する強い想いを「好き」という言葉で解釈するまでに、高いハードルを越えなければならない感覚がありました。
めっちゃ好きではある。でも、「好き」という言葉にすると、当然のように「性的欲求を伴う恋愛感情」と捉えられてしまう。いやいやそうじゃない、それだけでは捉えきれない感情があるんだよ、という強い違和感を抱く。でも、「好き」という言葉にしないと、相手にも周りにも共通言語として伝わらない。
友人たちには、ただの言い訳だと捉えられたこともあります。だから、暫定的に「好き」という言葉を使っていました。
ほんとうは、「恋人」