これ、どうするの!?って(笑)。ある状況から状況への飛躍が生理的に無理じゃないか……、ここでこのセリフをしゃべっちゃう!?といった場面が多々あって。でもそれって、意外と役者さんがどうにでもしてくれるんですよね。役者の力ってすごいなと、あらためて思いました。その時に、ある程度面白いと思ったものなら、強引に、乱暴にでも書いてしまっていいんだなと思って。頭で書くんじゃなくて心で書く、岡田さんのホンはそんなふうに感じられた。岡田さんはきっと、ディレクターさんや役者さんのことをものすごく信頼しているんですよ。その信頼のもとに、自由に書いている。
信頼関係の上に成り立つのなら……と考えて、実は今回の『誕生の日』は、だいぶ乱暴に書いたんです(笑)。いつもだったら二の足踏んで、立ち止まって、戻って、もう一回書き直して……なんてやってますけど、それをせずに、演出のことも考えずに」
劇団ONEOR8のリスタートのテーマは、「劇団の体力をつけよう」。集客を含めて、劇団本来が持つ力を見直していく。そのため今回の新作公演は、著名な客演を迎えない、小劇場での長期間公演など、新たな試みに乗り出した。先述のように田村の劇作スタイルも新境地へ。