2021年5月13日 15:30
藤原竜也×石原さとみ×吉田鋼太郎、彩の国シェイクスピア・シリーズ第37弾『終わりよければすべてよし』開幕
舞台一面に曼珠沙華(彼岸花)を咲かせる幻想的な劇場空間は、まさに“冒頭3分で観客の心を掴む”蜷川演出を彷彿させ、シリーズ最終作への吉田の意気込みを感じる。曼珠沙華の中を縦横無尽に行き来しながら、スピード感ある場面転換で話が展開する。
藤原竜也が演じるのは自分の意志に従い自由に生きる、血気盛んな若き伯爵バートラム。物語の軸として、ヘレンや王侯貴族たちに慕われ、存在感ある魅力が必要な役どころだ。藤原は蜷川幸雄に鍛えられた感性をいかんなく発揮し、吉田からは「最後の作品には竜也がいなくては」と信頼と期待が大きい。
バートラムに恋する美しい孤児ヘレンを演じるのは、シリーズ初参加の石原さとみ。稽古開始当初はシェイクスピア独特の言い回しに戸惑いながらも、演出の吉田はもちろん、藤原ら共演者に積極的に相談し、身分違いの恋に悩みながらも強い意志で道を切り開くヘレン像を見事に作り上げた。
そして溝端淳平、横田栄司、宮本裕子、正名僕蔵、山谷花純、河内大和ら、本シリーズに欠かせない実力派俳優陣がバートラムとヘレンの異色の恋物語に彩りを添える。
上演時間は約2時間40分。埼玉公演は彩の国さいたま芸術劇場にて5月29日(土)