「いろんなことを思い出す。そんな歌ばっかりよ、やっぱり」 デビュー30周年に30曲分の思い出をかみ締めた4時間の軌跡 ウルフルズが4年ぶりに地元大阪で開催した最高の宴 『ヤッサ!やります!30曲 V』ライブレポート!
と、レパートリーの中でもとりわけ円熟味に満ちた楽曲で魅了していく。
「次は『ヤッサ!』で初披露した思い出のある曲で、長いこと人前で歌ってなかったけど『ズ盤』でセルフカバーしてみて、個人的に今一番気に入ってる曲みたいなところまでたどり着けて大変満足してます。これ以上何も言うことはない、一番シンプルにそぎ落とした歌」(トータス松本)というその名も「歌 V」は、30年という時間をかけ、50代も半ばに差し掛かった男の歌だからこそ、よりいっそうピュアに聴こえる。「ラブソングが続くな。かみ締めるぞ……」と、トータス松本が幾度となく自らに確かめるように語り掛け歌った「相愛 V」も、時間を音楽に変えたかのような深みのある歌唱と演奏にグッとくる。
ギターを奏でるや喝采が起きた孤高の「サムライソウル V」、「これまた『ヤッサ!』の定番。これぐらいの時間になることを想定して、この辺の曲順に置いてみた。いい感じに日が暮れてるかな」(トータス松本)と、徐々に日が落ち始めた時間帯に捧げた人生賛歌「僕の人生の今は何章目ぐらいだろう V」が、スライドギターやハモンドオルガンが何層にも織り重なった、幻想的な音色と共にじんわり沁み渡る……。