2022年10月26日 18:00
【ライブレポート】warbearソールドアウトのWWW 6年を経て再始動「Galileo Galilei は“冒険”」
それにしても、アルバムから感じる気分がそうであったように、どの曲も柔らかく、温かく、そして明るい。ステージ上にいるメンバーの表情も穏やかだ。尾崎兄弟に岩井に岡崎真輝、つまりステージにいる面々はほぼBBHFと変わらないのだが、だからこそわかる。音楽的な面よりもむしろそうした精神的なあり方が、BBHFとはまったく違うのだ。
「和樹が『ここでMCだったんじゃないの?』って言ってきて、思い出しました」とおもむろに話し始めた尾崎。「今までで一番といっていいほどパーソナルな作品になった」という『Patch』。コロナ禍になって以降バラバラになりかけた自尊心や自信を、つなぎとめるために作り始めたアルバムに込めた思いを丁寧に言葉にしながら、こうしてライブに集まったファンに向き合うことそのものが「僕にとってのパッチ(絆創膏)になるなと思う」と語る『Patch』を作ることで尾崎が取り戻したもの、感じたことが、こうしてライブの場でまた還元されていく、その滑らかで緩やかな循環。それを証明するのが、続いて披露された「バブルガム」だ。
〈タネも仕掛けもないオーディエンスに手を広げ/逃げも隠れもしないいつもの場所に立つよ〉。