2022年10月26日 18:00
【ライブレポート】warbearソールドアウトのWWW 6年を経て再始動「Galileo Galilei は“冒険”」
曲が進むほど力強くなっていく演奏は、ライブの場だからこそいっそう説得力を持つ。
エンジェルラダーのような美しい光の中演奏された「1991」で描かれるストラグル、そのストラグルの中にさらに潜っていくような「27」と、尾崎にとってきわめてパーソナルなプロジェクトであるwarbearの存在理由を明かすような楽曲が立て続けに鳴らされる。これらの楽曲も、『Patch』を作り上げた今だからこそ、違った響きをもって聞こえてくるように感じる。ディープな曲が続いたからか、はにかみながら「次の曲は……みんな楽しく聴きましょう」と告げて、「気球だよ」。早口のボーカルが尾崎にとっては挑戦で「ライブでやるのがドキドキだった」そうだが、この曲のおおらかさと朗らかさは、『Patch』というアルバムのシンボルのように光っていた。
その後もライブは穏やかな空気を帯びて続いていく。「花びらのかたち」、そして「やりたいこと」がみずみずしい季節の匂いを描き出す。こうした楽曲にちゃんと「生活」が透けて見える感じがするのは、これらの曲たちが人間・尾崎雄貴のすぐ近くで生まれてきたことの表れだし、アルバムの制作を通して尾崎が感性を研ぎ澄ませ、再生していったことの証明だ。