井上芳雄×小池栄子インタビュー こまつ座『日本人のへそ』上演にむけて
撮影:源賀津己
劇作家・井上ひさしの出発点となる戯曲、『日本人のへそ』が10年ぶりに上演される。前回の上演に引き続いて演出を担う栗山民也の指揮のもと、このエネルギッシュな音楽劇に人気と実力を兼ね備えた魅力のふたり、井上芳雄と小池栄子が立ち向かう。日本を代表する劇作家が生み出した衝撃作への挑戦、その胸のうちにあるものとは……。
当時井上先生が経験したすべてがこの戯曲に詰まっている
――井上ひさし氏の劇作の原点となる作品です。オファーを受けて、どのような点に心惹かれたのでしょうか。
井上僕は、栗山さんが演出した2011年の『日本人のへそ』を観ているんですが、想像の斜め上を行く作品でビックリしたことを覚えています。しかも、これが井上先生の処女作なのか! と。また、今回のお話をいただいた後に栗山さんと話す機会があって、「最後の井上戯曲(『組曲虐殺』)をやったんだから、最初もやったら面白いんじゃない?」って言っていただいたんですね。そうだな、やらせていただきたいなと思ってお受けしました。
小池私は作品の内容を知る前に、演出の方や共演の方のお名前、こまつ座さんで井上ひさしさんの戯曲……という情報を聞いただけで「やります!」