2021年9月3日 10:00
鈴木京香&高橋克実『Home,I’m Darling(ホーム、アイムダーリン)〜愛しのマイホーム〜』日本初演にむけて
──鈴木さんが演じられるのは、50年代のライフスタイルに憧れて、夫のジョニーと共にその生活を追求している専業主婦のジュディ。最初は明るく幸せなところから始まって、ある出来事からその生活に危機が起こり……と物語は展開していきます。
ジュディは、もともとは仕事を持ってバリバリ活躍してた人なんですよね。けれども職を失って、だったら憧れていた50年代の生活をしてみたいと、その夢を実現することにパワーを傾けていく。夫もそんな妻をかわいく思い、ジュディも夫のために家を快適にすることに力を注いでいったんだと思うんです。でも、そうやって家のためだけに生活することが、この作品では槍玉に挙げられることになります。
特に、ジュディの母親からすると、ようやく女性も自由に働ける時代になったのに、女性が生きにくかった時代である50年代を愛して、家庭を守っている娘が信じられないんですよね。だから、日本ではまだ家庭を守るお母さんのほうが尊ばれるところがある気がするんですけど、外国ではこういう価値観になっているのかと、私自身もすごく考えさせられて。
家庭と仕事というのは、おそらく女性だったら誰でも考えるテーマでもあると思うので、多くの女性に観てもらって、一緒に考えることができたらなと思っているんです。