2023年4月27日 12:00
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』はなぜ世界中でヒットしているのか? 製作者が語る
そんな人たちが手がけているからマリオはここまで多くの人に愛されているのだと思ったのです。私は何よりもマリオのファンのみなさんに伝わり、喜んでもらえる映画にしたいと思っていましたから、任天堂とイルミネーションの協業になったのは理にかなっているのです」
しかし、マリオの世界を映画にするのは簡単なことではなかったようだ。そもそもマリオはゲームのキャラクターで、近年のマリオ作品は3DCGのマリオをプレイヤーが操作できる。さらにゲーム中にはムービーも登場するため、CGで描かれたマリオを観ることはファンにとって特別なことではない。
手を抜いて映画化してしまうと“ゲーム内のムービー”を大きな画面で観ていることになってしまう。しかし、通常通りのCGアニメーションをつくると、我々が愛し、操作してきたマリオとは違ったものになる可能性がある。
「そうですね。だから、最も難しかったのは“バランス”でした。
オリジナルのマリオのデザインや設定は尊重しなければなりません。一方で、観客が映画館で作品を体験することを考えると、何かしらの進化や成長のドラマを描く必要があります。
ですから、ゲームのマリオに寄り添い過ぎてしまうと大きなスクリーンでうまく存在感を出すことができなくて失敗してしまうでしょうし、映画のことだけを考えてしまうと私たちが長年に渡って愛してきたキャラクターと違ったものになって失敗してしまうわけです」