くらし情報『正解のない作品があってもいい――『前科者』岸善幸監督が問いかける“想像”の必要性』

2022年2月4日 18:00

正解のない作品があってもいい――『前科者』岸善幸監督が問いかける“想像”の必要性

って言われましたけど(笑)。

──“前科者”工藤誠を演じる森田剛さんは、本作が6年ぶりの映画出演。有村さんとの化学反応が確かな余韻を残しています。

岸森田さんはその場で、工藤誠でいてくれればそれでいい。それくらい佇まいがすばらしかったですね。実際、当初の台本からかなりセリフも削ったんですよ。有村さんも森田さんも、現場に入る前から役を“まとっている”。一緒に弁当を食べるシーンでは、カメラが回る前から会話もせず、ずっとふたりで座っているんですよ。
後で森田さんに聞いたら「有村さんがずっと阿川先生でいてくれて、それがすごく嬉しくなりました」って。あっ、そういう(役への)アプローチもあるんだなと。ふたりの波長がすごく合っていたということだと思います。

正解のない作品があってもいい――『前科者』岸善幸監督が問いかける“想像”の必要性

(C)2021香川まさひと・月島冬二・小学館/映画「前科者」製作委員会
──そんなふたりを見つめる岸監督が、撮影中に意識したことは何ですか。

岸こちらの演出の下で役者の皆さんに演技をしてもらっているんですけど、その上で「本物を撮りたい」という意識が強いですね。本物とは何か……言葉で説明するのは難しいですけど、登場人物たちのセリフや生きる姿、場所はそのシーンにしかないんです。

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