くらし情報『戦記物に括られない骨太なドラマに 『アルキメデスの大戦』ゲネプロレポート』

2022年10月3日 18:00

戦記物に括られない骨太なドラマに 『アルキメデスの大戦』ゲネプロレポート

舞台『アルキメデスの大戦』より提供:東宝演劇部


『ドラゴン桜』や『インベスターZ』など、時代に対し鋭い批評を織り込んだ漫画を世に送り出してきた三田紀房の原作による舞台『アルキメデスの大戦』が、日比谷シアタークリエにて、10月1日(土) に開幕し、初日前に行われたゲネプロが報道陣に公開された。


戦記物に括られない骨太なドラマに 『アルキメデスの大戦』ゲネプロレポート

戦記物に括られない骨太なドラマに 『アルキメデスの大戦』ゲネプロレポート


時は1933年、軍事拡大路線を歩み始めた日本。戦争の火蓋は切られようとしていた。そんな矢先、帝国海軍は世界最大級の戦艦を建造する計画を極秘裏に進める。そのため、さまざまな思惑が錯綜することになり、軍部内で諍いが絶えなかった。そこで海軍少将の山本五十六(神保悟志)は、100年にひとりの天才と言われる元帝国大学の数学者の櫂直(鈴木拡樹)に、対立する造船中将の平山忠道(岡田浩暉)たちの秘密を探ることを依頼。しかし、軍を嫌い、数学を愛する櫂直は協力を拒む。それでも、巨大戦艦の建造によって加速する開戦への危機感を抱いた彼は戦争を回避させるため海軍へ入隊し、巨大な権力の中枢に飛び込んでいく……。


戦記物に括られない骨太なドラマに 『アルキメデスの大戦』ゲネプロレポート


まず何より、多くの言葉が飛び交う緊迫した台詞劇でありながら、微細な心情の揺らぎを的確に表現していたキャストの芝居が圧巻だった。稽古の賜物だろう、人間存在のグロテスクさと儚い美しさを、高貴で風格のある台詞回しや所作で表現し物語に厚みを加えている。

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