森山直太朗インタビュー「映像作品『素晴らしい世界』をきっかけに、見た人がそれぞれの中にある何かを考えるきっかけになってほしい」
では、直太朗さんにとっての音楽というのは何を指すものなんでしょうか?
曲を作ったり、レコーディングしてCDを作ったりっていうのは、僕にとっては音楽のための手段なんです。では、僕にとって音楽とは何か? と聞かれたら、それは舞台表現なんです。僕は舞台を、空間を作りたいんです。そこでこの音を響かせたら、どんな世界になるんだろう? っていうことが本能的な興味としてあって、それを満たしていたいんですよね。もしかしたらそれは、音楽じゃなくてもよかったのかもしれない。でも、先ほど言ったように、僕には僕だけの空白があって、それが僕を音楽に向かわせる力には逆らえなかったので。と、今はこうしてはっきりと言うことができるんですけどね。でも『素晴らしい世界』という名で107本のツアーを回る2年前だったら、こんなふうには答えられていなかったと思いますね。
――取材している時点において、映画『素晴らしい世界は何処に』が順次公開中で、そして11月6日(水)にはLIVE Blu-ray & DVD作品『素晴らしい世界 in 両国国技館』がリリースされます。映像作品にした意義をどのように感じていらっしゃいますか?
つまりそれは、映像作品でしか辿り着けなかった結論がそこにはある、ということですね。