森山直太朗インタビュー「映像作品『素晴らしい世界』をきっかけに、見た人がそれぞれの中にある何かを考えるきっかけになってほしい」
として『素晴らしい世界』が残るというのは、とても意味のあることだと思います。
そうですね。あのとき感じたものが、それが答えではなかったにせよ、また年月が過ぎれば全然違う感じ方をするでしょうし、だけどひとまずこの地点で区切りをつけるという意味で映像作品に残すことは僕自身にとっても必要だと思いました。
――先ほど、両国国技館の場の力ということをおっしゃいました。実際にステージに立った感覚はいかがでしたか?
もう感覚的には3年前くらいの遠い記憶になっちゃってるんですけど(笑)、安心感があったというのはすごくよく覚えているんですよね。本当に自分の前世は力士だったんじゃないか? って思うくらい(笑)。実際、本番の2週間くらい前に風邪をこじらせてしまって、リハもあまりできない状態で本番に臨むことになったんですよ。こんなに時間をかけて用意してきたのにっていう自分に対しての情けなさとか、本番で声が出なかったらどうしようっていう不安とか、結構ピンチな状態だったんですけど、いざ両国国技館のステージに立ったら、ピタッと咳が止まって、スコンと腹から声が出たんですよ。
本当に角力の神様がいるんだって思いました。