森山直太朗インタビュー「映像作品『素晴らしい世界』をきっかけに、見た人がそれぞれの中にある何かを考えるきっかけになってほしい」
告白してしまえば、やるって決めた時点で何の勝算もありませんでした。でも、100本ツアーを決めたときだって勝算はありませんでしたから。これが今までの自分だったら、両国国技館でやるっていうことに対して、「いやいや......」みたいな反応を示されたら「そうだよね」ってすぐに翻してたと思うんですけど、『素晴らしい世界』という名の下に100本ツアーをやったという確かな実感が、「でもね」って言えるだけの強さというか、自然な力学として自分を前に進められたんですよね。なぜなら、自分はなぜこれをやりたいのか? という衝動を探す旅が100本ツアーだったし、その終着点が両国国技館を含めた〈番外篇〉だったので、そこまで描き切らないと終わることにならないから。で、結局この旅は終わらないものなんだっていうのを〈番外篇〉で思い知らされることになるんですけどね。自分がどうして生まれてきたのか? っていう、考えたって答えの見つかりようもない問いと同じで、だからこそそういう根源的な部分と共鳴しながら〈番外篇〉までの長い旅を続けてきた......そういうイメージでした。
――答えが出ない問いだからこそ、問い続けなければいけないという基本原則に立ち返ると、映像作品(映画/Blu-ray & DVD)