パナソニック汐留美術館『クールベと海展』6月1日より再開! レアリスムの巨匠による海の風景画の特異性を探る
展示風景
続く第三章「クールベ以前の海」、第四章「クールベと同時代の海」では、クールベが海を描き始める前から同時代にかけての海の描かれ方について、コンスタブルやターナー、ブーダンらの作品を通じて紐解いていく。
いまでこそ、休日をのんびり過ごす場所、泳ぐ場所として認識されるようになった海であるが、19世紀中頃まで畏怖や崇高の対象として扱われてきた。鉄道が開通し余暇を楽しむ「リゾート地」の概念が人々の間に生まれるようになり、ようやく海は人々に身近な存在となってきたのだ。二つの章を通じて、人々の海への認識がどのように変わっていったのかを検証していく。
第三章「クールベ以前の海」 展示風景左ラ・トルネーズ(1823年建造)右スピーディー(1828年建造)
第四章「クールベと同時代の海」展示風景。左の壁の作品はクロード・モネで左が《アンティーブ岬》1888年、右が《アヴァルの門》1886年。右の壁の作品はモネの師匠であるウジェーヌ・ブーダンの作品で、左が《ブレスト、停泊地》1872年、右が《浜辺にて》。クールベはブーダンと連れ立って戸外に制作に出たり、モネを大切な年下の友人として付き合いがあり、お互いに刺激を受け合う仲であった。