パーカーズ「あなたのナンバーワンになれますように!」 キラッキラなエネルギーで埋め尽くされたツアー初日をレポート
バンドならでは、ライブならではの魅せ方に、豊田の「『VICTORY TOUR』の仙台公演は、今日しかありません」というMCを重ねた。“今、ここ”にしかないものを、MCなどのコミュニケーションだけではなく、演奏でも表現している。その、昔ながらとも言えるスタイルに、今こういったバンドが10代や20代に支持されていることがうれしくなったし、2024年のライブシーンにおける希望だと思えた。
そして、やはりその中心にいる豊田の歌心にも注目せずにはいられない。特に、弾き語りからバンドになだれ込んでいく「ララバイ」の熱唱には、涙腺にトドメを刺された。ひと言ひと言、歌詞を手渡すように歌うような誠実さに、このバンドを背負う器を感じた。
「出会ってくれてありがとう」と感謝した「運命の人」では大きなシンガロングが響き、「ハッピーをちょうだい」では温かなハンドクラップに包まれた。一人ひとりのオーディエンスとギュッと握手するような体温を感じる繋がりのままで、名実ともに“POPS日本代表”になって欲しい......そんな願いを抱かずにはいられないライブだった。
ぜひ、パーカーズが階段をかけのぼる瞬間を目撃してほしい。