2022年9月16日 12:00
岡本健一×成河対談 語り出したら止まらない! 【前編】想像を超える戯曲『建築家とアッシリア皇帝』にどう挑む?
でも、まだ時間があるので、いろんな方向からいろんなことを勉強して、挑んでいきたいですね。
岡本完全に不条理という感じにも思えないんだよね。登場人物の、彼らの喋っている内容に引き込まれていくと、いろんな世界が見えて来て。成河も言ったように作家のことを調べると、母親と父親との関係とか、ちょっと考えられないな……みたいな壮絶なことを経験して来た人で。また戦争であったり、革命的なことであったり、それこそ、この戯曲に書かれている以上のことを自身が経験して来て、それを演劇として提示して観客に伝えていった……と考えると、これから俺たちに起こる大変さだとか、肉体的な辛さとか、大したことじゃないんじゃないかなと思うんですよ。
成河ああ〜確かに!
岡本この作家が経験して来たことに比べたら……、まあそれはワジディ・ムワワドの時もそうでしたけど。
成河そうですね。ここに書かれていることをひとりで経験したのかと思うと、どれだけのストレスなのかと……。この作品、ものすごい力を背負って生まれて来たってことになるね。
岡本そう、ここに出て来る登場人物の人生を考えたら、今この平和な日本で生きている俺らはどうなのよ、って話に行き着いちゃうんですよね。