2022年6月8日 18:00
モネ、ゴッホからリヒターまで 自然に対する絵画表現の変遷をたどる『自然と人のダイアローグ』開幕
と題し、自分の心象や観念を自然の風景と結びつけた画家たちの作品を紹介する。ロマン派を代表するドイツの画家、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒは夕日を見つめる後ろ姿の女性像を描くことで、ヨハン・クリスティアン・クラウゼン・ダールは窓とその向こうの神秘的な風景を描くことで、人間の理想を追求することを試みた。
左:カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ《夕日の前に立つ女性》1818年 フォルクヴァング美術館蔵 右:ヨハン・クリスティアン・クラウゼン・ダール《ビルニッツ城の眺め》1823年 フォルクヴァング美術館蔵
ゴーガンはブルターニュ地方にあるポン=タヴェンやタヒチなど、あえて都会から離れて制作することで、自らの芸術を追求していた。
左:ポール・ゴーガン《扇を持つ娘》1902年 フォルクヴァング美術館蔵 右:ポール・ゴーガン《海辺に立つブルターニュの少女たち》1889年 国立西洋美術館蔵
第3章「光の建築」は、自然のなかに普遍的な秩序や法則、本質的な構造を見出し、表現のなかに織り込もうと試みた画家たちの作品を紹介する。スーラの点描技法に強く影響を受けたベルギーの画家、レイセルベルへは水面と月の光を丹念に点描で描き、フィンランドの国民的画家、ガッレン=カッレラは、静かな湖面にさざなみが立つ場面を装飾的に描いている。