2021年11月11日 12:00
【ライブレポート】さとうもか アルバム『WOOLY』をライブで完結 オーディエンスと分かち合えたツアーファイナル渋谷クラブクアトロ
『WOOLLY』で最後に書いた曲だという「アイロニー」は、ネガティヴなムードがあるアルバムの中で、一歩前に進んでいくベクトルがある曲。北欧ポップスを感じらせるエアリーなアンサンブルで《悩んだ日々にバイバイバイ/信じるのは光る想い/それだけでいいはずだわ!》と解き放っていく歌は、ライブの開放感とも重なってより輝かしくで力強い。
また、アルバム同様にラストに据えた「歌をとめない」では、ステージにひとり、ピアノ弾き語りで届けられた。このピアノは、高校生の時に親が買ってくれたものだそうだ。この1年、メジャーデビューや上京と、環境の変化に伴って出会いや別れがあり、またコロナ禍という状況も重なった。いつでも帰ってこられる場所を歌の中に残したい、とひとりの音楽家としての願いを綴ったこの「歌をとめない」はこの日、このステージで祈りのような神聖さで響いた。
アンコールでは2022年3月にライブが決まったことを報告。また、こうしてツアーが完走できたことへの多幸感と、終わってしまう切なさを交えて「愛ゆえに」を披露。
“また絶対に会いましょう。そのときまで元気でいてください”とツアーファイナルをしめくくった。