大島渚賞に輝いた小田香監督、新作『セノーテ』では神秘の泉の世界へ
大島さんの名に恥じぬようとか、ここ数年でなにかしらの結果を出さないととかはあまり考えないようにしたいなと。
それより10年、20年と映画作りを継続していくことで、『小田でよかった』と思ってもらえたらなと思っています。それぐらい長い目で見てもらえたらなと思っています。
あまり目先のことを考えず、自分のスタイルを変えることなくマイペースで活動していけたらと思っています」
その大島渚賞では、タル・ベーラからメッセージが寄せられ、「あなたと出会う幸運に恵まれたこと、それは私の人生のひとつの贈り物でした」「映画を作ることとは何か、それをあなたはよくわかっていました」「我が道を行きなさい」と最大級の賛辞を送っている。彼から学んだ1番のことはなんだろうか?
「film.factoryでは、現在の第一線で活躍するフィルムメイカーが講師として来てくれて、そのバックグラウンドを私たちと共有してくれました。でも、ひとりひとり、その作品へのアプローチも違えば手法も違う。映画作りにはルールもなければ正解もない。
結局、自分で実際にやってみて、自分で失敗して学んで、その中で、自分の映画言語であり映画文法を見つけていくしかない。