バルセロナを中心に活動した建築家、アントニ・ガウディ(1852〜1926)。彼が手掛けた建築の数々は人々を魅了し、その多くが世界遺産に登録されている。6月13日(火) よりスタートした『ガウディとサグラダ・ファミリア展』は、彼が生涯をかけて取り組んだ未完の聖堂「サグラダ・ファミリア」に焦点を絞ったものだ。9月10日(日) まで東京国立近代美術館で開催されている。
ガウディはスペインのカタルーニャ地方、レウス市生まれ。バルセロナで建築を学んだ彼は、大学卒業直後から頭角を表し、カサ・ビセンスやグエル館、グエル公園など、有機的な曲線と装飾を特長とする建築を手掛けていく。
その一方で、ガウディは1882年から建設が続けられているサグラダ・ファミリア聖堂の二代目建築家にも就任。晩年はすべての仕事を断り、サグラダ・ファミリア竣工に向けて心血を注いでいた。
同展は、いよいよ2026年に完成予定のサグラダ・ファミリアに焦点を絞り、ガウディの建築思想と造形原理に4章構成で迫っていく。

展覧会エントランス
第1章「ガウディとその時代」では、若き日のガウディの活動と時代背景をたどる。バルセロナで建築を学んだガウディは図書館にこもり、ギリシャ・ローマやラテン、ビザンティン芸術の写真集などを読み漁る日々を続けていた。