道路問題に直面した人々の“声”を届ける、台本のない芝居作り ブス会*『The VOICE』稽古場レポート
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ブス会*『The VOICE』チラシ
「台本はありません」
可能ならば事前に台本を……と問い合わせて、返って来た意外な答。今回挑んでいるのは、
「ペヤンヌマキが書いた台詞を喋るのではなく、道路問題に立ち向かう地域の人々の生の声を聞き、その切実な思いを受け止めた俳優自身の、内から湧き起こったものを体現する」試みだそうだ。目指すは“伝承スタイルの音楽劇”で、街の人々へのインタビューを行い、その声を素材にしながらフィクションを作ろうとしている。実験的で興味深いが、演者にはなかなか負荷のかかる芝居作りのようである。稽古場に設えた舞台面、その中心に脚立が置かれていて、もしかしてアケボノスギの木の見立てかな?と思っていたところ、「あれは“がざびぃ”の空間に立っている柱」とペヤンヌが教えてくれた。
「あの柱の右側部分が、計画が進んだ場合、道路になってしまうんです。
柱を象徴的に見せたくて」
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上演される劇場“がざびぃ”内の柱の位置を示すため設置された脚立
柱に見立てたその脚立を真ん中に俳優たちが次々と登場し、エチュードのような立ち稽古が進んでいった。あるシーンでは都市計画とはなんぞや!? と語り合い、あるシーンでは理髪店の店主が客の調髪をしながら語り、またあるシーンでは数人が一致団結して行進し……。