道路問題に直面した人々の“声”を届ける、台本のない芝居作り ブス会*『The VOICE』稽古場レポート
演出のペヤンヌマキが静かに見守るなか、俳優それぞれが活発に意見を出し合い、積極的に動き回ってシーンを組み立てていく。時折爆笑が起こる快活な空気に若干圧されながら、俳優たちのやりとりを目で追った。
金子清文(前)、古澤裕介
「ここ、“ありがとう”って言葉を加えたほうがいいかも。その情報を知ることが出来てよかった、って気持ちが伝わるんじゃない?」
高野ゆらこの提案を受けて、罍陽子が瞬時に実践。ブス会*公演ではおなじみの、ともに唯一無二の個性を光らせた実力者であるこのふたりに加え、異儀田夏葉、天羽尚吾、古澤裕介、金子清文と小劇場界の巧者が揃い、音楽監督の向島ゆり子が演奏を担う。俳優から次々にアイデアが発信される様子を見ながら、台本のない芝居作りとは!? という当初の疑問がなんとなく解けて来た。人々の“声”をもとに生まれたいくつものシーンを、コラージュして見せる舞台なのかもしれない。ペヤンヌにそう聞いてみると、「でも、やっていくうちにひとつの物語になって来たように思う」とのこと。
俳優たちが積極的に意見を出し合いシーンを組み立てていく
「街の人たちにインタビューした日に、すぐ稽古をしたんです。