くらし情報『道路問題に直面した人々の“声”を届ける、台本のない芝居作り ブス会*『The VOICE』稽古場レポート』

道路問題に直面した人々の“声”を届ける、台本のない芝居作り ブス会*『The VOICE』稽古場レポート

取れたての素材を、自分の体を使って表現する、それがすごく面白かった。そのまま本番でもいい、むしろそこから作り込むと違うものが乗ってしまうから、もう稽古はいらないな〜って思ったほど。それくらい実力のある俳優さんたちですし、彼らの感受性を信頼しているんです」

それでも稽古を重ね、目にしたような能動的な展開もあれば、俳優陣から戸惑いの声が上がることもある。

「やっぱり俳優さんは不安になって台詞が欲しくなる。台詞も動きも自分の体に落とし込んだうえで自由になりたい、その気持ちもすごくわかる。でも台詞と思って整理してしまうのは何かが違う、ただのお芝居にしたくないんですよね。人ごとではない、自分の身にも起こり得ると体を通して受け止めてほしくて」

道路問題に直面した人々の“声”を届ける、台本のない芝居作り ブス会*『The VOICE』稽古場レポート

古澤裕介
道路問題に直面した人々の“声”を届ける、台本のない芝居作り ブス会*『The VOICE』稽古場レポート

左から、高野ゆらこ、異儀田夏葉、罍陽子
そうして俳優個人の感覚がプラスされた表現を、観客に伝えていく。伝えられた私たち観客が、またそこから自分の思考を広げていくわけだな、なるほど……と理解は出来ても、伝える側のハードルは限りなく高い。生々しい感覚の放出と、作品として仕上げる確かな枠組み。このカンパニーが、葛藤のはてにそれをどう両立させ、音楽に乗せて伝承させてくれるのか。

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