ポール・メスカルとデンゼル・ワシントンが語る超大作『グラディエーターII』
「どの映画監督も古典や歴史の知識を持っていてほしいですし、少なくとも僕が出演する映画の監督はそうであってほしいと思います。リドリーは映像の世界で60年以上のキャリアを持つ人で、AIもCGもない時代から映画監督として活躍していて、いまも活躍しています。彼の作品に出演すると、我々は巨匠と一緒に仕事をしているんだなということがわかるし、この人に任せて安心なんだという全幅の信頼があるんです。
リドリーの撮影手法で興味深いのは、彼はロングレンズを使うので、アップを撮影している時でもカメラが俳優の目の前にあることはないんです。僕が最初に出たテレビ映画では僕の目の前、ギリギリまでカメラが来て『さぁ演技して!演技して!自然に!』って言われて(笑)僕の顔がどんどん歪んでいくんですよ(笑)
でも彼は俳優が演技に集中できる環境で撮影してくれる。だからこそリドリーはポール・メスカルのような演劇の世界でちゃんとトレーニングを積んできた俳優を起用するんだと思うんです。リドリーはいろんな技術の変遷を60年にわたって観てきているわけですから、豊富な経験の中から編み出された手法で映画が撮られているわけです。彼はグランドマスターだと思います」