ASKA「今しか歌えない歌を」コロナ禍での“新しいリアル”を語る【ロングインタビュー】
向こうの方々は本気で取り組んでいますよね。しかもインターナショナル規模で。ところが当時、日本ではアーティストがチャリティーやボランティアには手を出してはいけないと言われていたんです。偽善というふうに見られるとマイナスにしかならないから、そこは触ってはいけないっていうのが業界の常識だったんです。でも僕は2回のロンドン生活によって意識改革が行われたんですよ。それで、ロンドンで『GUYS』(1992年)のレコーディングをやっているときに、スタッフに話をしました。日本のアーティスト、引いては音楽業界のチャリティーへの意識の低さはおかしくないか?って。ちょうどその時期っていうのは、CHAGE and ASKAというのはものすごく盛り上がっていたので、僕たちが率先して取り組めば少しは変わるんじゃないかと。
CHAGE and ASKAがチャリティーをやることが今さら売名行為だなんて言われないだろう、それでも言われるんだったら、〝史上最大の売名行為〟ってスローガンを掲げてやってやろうよって強く主張しました。そこからやり方を探していったんです。その中で、セーブ・ザ・チルドレンのことを知り、音楽業界だけではなくてもっと大きな活動にしたかったので一般企業とも組んで、大々的に広告展開などをしていきました。