大盛況の中、完走した全国ツアー『Laura day romance tour 2024 crash landing』最終公演@Zepp Shinjuku 【オフィシャルレポート】
「lookback&kicks」をセットしたことで音楽性のレンジを垣間見せてくれたのも楽しい。シャッフルの楽しいナンバーでありつつ、グランジテイストのリフが飛び出した「worrying things」、ポストパンクなタイトなビートの上を駆けるような井上と鈴木のツインボーカルが清々しい「lookback&kicks」が久しぶりにライブでこれらのレパートリーを聴くファンを揺らしていた。普遍的なグッドメロディや60年代っぽい空気を孕んだポップスを思い出させながら、彼らがリアルタイムで吸収した00年代以降のビートやギターの音色が懐かしさに終始しない音像に着地する様子が、ライブだと手に取るようにわかるのだ。そしてリフもビートも歌メロのフロウも同調してグルーヴを作る「アイデア」では短いソロ回しも盛り込んで、プレイヤーに視線が送られる。
セットリストの折り返しを過ぎても井上は1曲が終わる時、それも時々「ありがとう」と言葉を発する程度で、長いMCもなく演奏に集中している。それはフロアも同様で「次はなんだろう」という無言の期待がいい緊張感をもたらしているからだ。そこに「winona rider | ウィノナライダー」