くらし情報『過去から現代へ、言葉を紡ぎ必死に対話する人々描く 瀬戸康史主演『彼女を笑う人がいても』観劇レポート』

2021年12月6日 20:00

過去から現代へ、言葉を紡ぎ必死に対話する人々描く 瀬戸康史主演『彼女を笑う人がいても』観劇レポート

登場人物たちは、必死の思いで言葉を紡ぎ対話する。舞台上にあるのは、ふたつのテーブルといくつかの椅子。あるときはテーブルを挟んで向かい合い、あるときは隣同士に座り、伊知哉が、吾郎が、誰かの言葉を聞き、自分も言葉を放つ。しかも、ひとりの役者がふたつの時代の人物を演じ分けて、伊知哉と、吾郎と、次々に話していくのである。過去の会話と現在の会話がつながっていくかのような不思議な感覚に襲われる。

過去から現代へ、言葉を紡ぎ必死に対話する人々描く 瀬戸康史主演『彼女を笑う人がいても』観劇レポート

左から木下晴香、瀬戸康史
ストレートプレイ初出演となる木下晴香は、現代で被災者家族を、過去では、命を落とした女子学生の覚悟を尊敬しながらも運動に迷いを持つ学生を誠実に演じ、まさしく声なき声が聞こえてくるようだった。これが初舞台の渡邊圭祐の演じ分けも見事である。現代で演じた新人記者では、身体の置きどころが定まらないような様子で今どきの若者を軽やかに表現。
一転、奉仕活動を行い運動を批判する過去の学生を演じるときには重さを感じさせ、その立ち姿は強い印象を残した。

過去から現代へ、言葉を紡ぎ必死に対話する人々描く 瀬戸康史主演『彼女を笑う人がいても』観劇レポート

左から瀬戸康史、渡邊圭祐
過去から現代へ、言葉を紡ぎ必死に対話する人々描く 瀬戸康史主演『彼女を笑う人がいても』観劇レポート

左から近藤公園、瀬戸康史
近藤公園が演じたのは、被災者家族の兄と、女子学生の死の究明に協力する議員。被災地で生きるつらさに消えてしまいそうな姿が切なかった。

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