宮城県石巻市を舞台に開催されている「Reborn-Art Festival 2021-22 後期」をレポート 新作を中心に注目作品を紹介
画面に映る巨大な顔たちは、ゆらめきながら高らかに合唱している。また、旧つるの湯階上にある旧サウナ石巻には、プロダクション・ゾミアのキュレーションにより、アジアの作家6組の映像作品が展示されている。
笹岡由梨子《パンジー》2022年
ボウリング場プレナミヤギに付属するスケートリンクは、現在も冬場は石巻の人々が集まる人気スポット。シーズンオフの期間を利用して設置された渡邊慎二郎《FRESH》は、石巻に自生する植物の音を使用したインスタレーションだ。石巻の工事現場で使用されるシートなどを作品に取り込み、土地の環境を体感できるようにもなっている。
渡邊慎二郎《FRESH》2022年
■渡波エリア
牡鹿半島の付け根にある渡波(わたのは)は、景勝地と知られている地域。震災がきっかけとなり、現在は家具工房やゲストハウスなどあたらしい場が生まれつつあるエリアでもある。こちらでは、水産加工工場跡地を舞台に小谷元彦と保良雄の作品を展示している。
保良雄《fruiting body》は、岩塩や海水、炭化した鯨の骨などを使用したインスタレーション。天井から吊るされた紐からは海水がゆっくりと落ち、周囲に徐々に岩塩が形成されていくという。