ラジオ×演劇×生配信! 千葉雄大×高橋ひかるW主演『あの夜を覚えてる』観劇レポート
ちなみに、劇作家の根本宗子は、配信だからこそ映える会話劇『もっとも大いなる愛へ』を書き下ろした。女性キャストによる稽古は約1ヵ月リモートで行われ、本番前日に初めて全員が顔を合わせたという。そして、終演後の俳優へのフィードバックも含めて、ドキュメンタリー・タッチで見せる/魅せるという趣向を採用していた。
とにかく当初はまったく想像がつかなかったリモート演劇だが、こうした時勢の中で演劇は未だに試行錯誤のさ中という印象がある。そして、そんな折りにタイミングよく登場したのが、『オールナイトニッポン』の55周年記念に合わせた『あの夜を覚えてる』という生配信演劇である。深夜のラジオ局を舞台にした物語で、ラジオ現場の人間模様や悲喜こもごもが生々しく描かれている。
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オールナイトニッポン 55周年記念公演 『あの夜を覚えてる』より
本作が成立し、成功を収めたのは、制作担当のノーミーツがいたことも大きかっただろう。ノーミーツは元々“劇団ノーミーツ”として、リモートに特化して公演を行ってきたコレクティヴだ。
「NO密で濃密なひとときを」をテーマに、稽古から上演まで一度もスタッフやキャストが会わない「フルリモート劇団」