2022年3月24日 17:00
ラジオ×演劇×生配信! 千葉雄大×高橋ひかるW主演『あの夜を覚えてる』観劇レポート
ぜひ上演を見て欲しいところだ。
オールナイトニッポン 55周年記念公演 『あの夜を覚えてる』より
ラジオ好きにはたまらない番組、でもあるだろう。ラジオの特性のひとつは、リスナーからのメールやツイートによって、番組の流れがまったく変わってくるところ。言うなればリスナーとパーソナリティーがインタラクティヴにやりとりをすることで、自分も一緒に番組を作っているという感覚を味わえるのだ。リスナーとパーソナリティーは、いわば共犯関係にある、と言えばいいか。本作でも、終盤にリスナーから届いたメールが重要なストーリー上のカギを握っている。
ラジオフリークは、こんなことが番組の裏で起こっているんだ、という感興を得られるのではないか。少なくとも僕はそうだった。
具体的には、音楽をオペレートするPAが壊れて右往左往したり、体調不良でパーソナリティーが休み、必死で代役を探したり、番組でかけるためのCDが見つからなかったり。つまり、トラブルやハプニングはラジオにつきものであり、それも含めての生っぽさがプラスに作用しているのだ。転ぶことがあってもそれは当たり前、大事なのは転び方なのである。
オールナイトニッポン 55周年記念公演 『あの夜を覚えてる』より
オールナイトニッポン 55周年記念公演 『あの夜を覚えてる』より
本作を観ると様々なスタッフが関わってラジオ番組が作られている、という当たり前の事実に改めて直面するはずだ。