『八犬伝』をよく知らない人もハマりそうな映画! 役所広司・内野聖陽+若手俳優たちによる壮大なファンタジー×人間ドラマ【おとなの映画ガイド】
剣⼠には渡邊圭祐(⽝塚信乃)、鈴⽊仁(⽝川荘助)、板垣李光⼈(⽝坂⽑野)、⽔上恒司(⽝飼現⼋)、松岡広⼤(⽝村⼤⾓)、佳久創(⽝⽥⼩⽂吾)、藤岡真威⼈(⽝江親兵衛)、上杉柊平(⽝⼭道節)。物語の発端となるエピソードに登場する⼟屋太鳳(伏姫)、さらにいま話題の河合優実(浜路)、塩野瑛久(扇谷定正)、そしてヴィラン役に栗⼭千明(⽟梓)。
一方、実のパートは、役所広司(馬琴)を筆頭に、内野聖陽(葛飾北斎)、寺島しのぶ(馬琴の妻)、磯村勇⽃(息子)、⿊⽊華(息子の妻)と、最上級の演技派俳優が並ぶ。こちらでは、作家の創造の苦悩、家族との愛憎、男の友情、老いへの恐れ、といった様々な人間ドラマを堪能できる。
この、“虚実”が交互にスクリーンに現れる手法は、一見すると複雑で、面倒くさそうだけれど、これが意外と、とてもわかりやすい。決して観客を戸惑わせない新鮮な趣向となっている。もちろん、106冊にも及ぶ膨大なファンタジーとその創作秘話をたったの149分で語るのだから、どうしてもかけ足の部分は出てくるが、そうしたことで、かえってもっと詳しく『八犬伝』という物語を知りたくなる。