2022年12月24日 12:00
【独占ロングインタビュー】“聴いたことのない「さくら」がここにある” 森山直太朗、20周年を締めくくる弾き語りベストアルバムを語る
もちろん冬は冬で雪が降ったりすると幻想的な光景が広がってすごくいいんですけどね。
そういうふうに季節の移ろいを敏感に感じたり、木々の緑が風に揺れる音を聴いたり、雲の流れを見ていたり……そうしているだけで1日が終わっちゃうんです。だから基本的にここは、何もしないをする、という場所なんですよね。
――何もしない自然な状態のなかに創作が含まれるまで待っていた、とも言えるわけですね。
そうですね。今回の『原画 I』の3曲目に収録した「金色の空」がここで初めて作った曲でした。曲を作る時にボイスレコーダーなんかで自分から出てきたばかりのメロディや言葉を録音するんですけど、それと、『原画 I』『原画 II』に収められている弾き語りの歌の感じが、ほぼ変わらないんですよね。波長が同じというか。
きっとその感覚を求めていたんでしょうね。
――それはやっぱり活動を少しお休みしていたということと関係があるわけですよね?
デビューして12、13年目の頃だったんですけど、ちょうど震災があったり、それまでは自分を知ってもらいたいという欲求や勢いだけでやっていけたんですけど、ここら先はもっと本質的な衝動と向き合わないといけないんだろうなと思うようになったんですよね。