2023年5月24日 08:00
磯村勇斗がこの社会に思うこと「もっとみんな自由になった方がいい」
今はそうあるべきという固定概念に囚われない方がむしろ新しいアイデアを生むこともある。世の多くの人は、枠から飛び出ていく人を非常識だと怒るかもしれないですけど、今の若い人たちにはそんな声に負けず、(生きづらさを我慢せずに)もっと自由に立ち向かってほしいです」
『波紋』もまた、そんな息苦しさに溺れている人たちの手を引き上げるような映画だ。依子にとって、家族という共同体はもはや自分を救ってくれるものとして機能しない。代わりに、依子は家以外の場所に拠り所を見つけていく。いわゆる家族再生のドラマとなっていないところに、『波紋』の清々しさがある。
磯村もまたこの家族のありさまを見ながら、家族について考えをめぐらせた。
「何をもって家族と言うかですよね。それを最近よく考えるんです。
だって、養子で迎え入れた子どもも親からすれば大事な家族。つまり、血がつながってなくても家族になれるんです。家族のあり方については僕も模索している最中で。家族って何なんだろうねというところで今のところ思考は止まっています」
そこで言葉を区切った磯村にあえて聞いた。暫定的な解答でもいい。家族を家族せしめるものがあるとすれば、それは何かと。