2023年5月24日 08:00
磯村勇斗がこの社会に思うこと「もっとみんな自由になった方がいい」
「クサいですけど、やっぱり絆なのかな。お互いに対して同じパーセンテージの愛があれば、それはもう家族と言っていいんじゃないかなと僕は思いますけどね」
僕にとって傷は個性であり、運命
『波紋』の中には、さまざまな女性たちが描かれている。依子もまたパート先では真面目な店員。とても宗教にのめり込んでいるようには見えない。そして、そんな他人には見えない心の歪(ひず)みを抱えた人物は、他にも登場する。たとえ気丈そうに見える人でも、どんな傷を抱えて苦しんでいるかはわからない。今、自分の隣にいる人もまた社会から転げ落ちるギリギリの断崖で踏みとどまっている人かもしれないのだ。
「一度深くついた傷ってなかなか癒えないですからね。
しかもいくら話したところで他人に理解できないことってあるじゃないですか。だから、僕は自分のデリケートな部分には無理に入ってきてほしくないタイプ。自分がほっといてほしい人間だから、そういうふうに人が身近にいても同じようにしちゃうかも。あんまり自分からお節介は焼きたくない。その上で、もしその人が何か打ち明けてきたときは、ちゃんと聞いてあげられるスタンスでいるようにはしていますね」