撮影:友野雄
今までこういう毛色の作品にあまり出ていなかった。
ビートたけし原作の恋愛映画『アナログ』への出演について、二宮和也はそう率直に語る。数々の映画で主演を務めてきた演技派が、40代という新たな人生のステージで迎えた新境地。
そこには、まだ見たことのないニノと、変わらぬニノの姿があった。
蕎麦打ちは、蕎麦粉をこねるところから全部やりました
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「(監督の)タカハタ(秀太)さんから相談があったんですよ、『次はこれがやりたいんだけど』って。それが、この『アナログ』の原作で。タカハタさんが恋愛映画を撮るイメージがなかったから、『へえ、いいんじゃないの?』なんて言って。そしたら、『いや、お前とやりたいんだよ』と。あ、俺となんだって。こういう作品を自分もやることがあるんだって、ちょっと意表を突かれたところからのスタートでした」
俳優としての名声を一気に高めた『青の炎』や『硫黄島からの手紙』をはじめ、近年も『浅田家!』『TANG タング』『ラーゲリより愛を込めて』などヒューマンな作品の印象が強い二宮和也。これだけ正統派のラブストーリーは、フィルモグラフィーを振り返っても極めて稀少だ。