syrup16g『遅死11.02』 20年ぶりの日比谷野音ワンマン開催!「また会えてうれしいです。来年も会いましょう」
「エビセン」を歌い終わったところで、五十嵐、ひとこと「ありがとう」とはさむ。
「明日を落としても」では、時折しゃがれつつメロディを形にしていく五十嵐隆の声に寄り添うように、中畑大樹がハモリをつけていく。この曲の後半でも、五十嵐のボーカルは“歌”と“絶叫”のミックス状態と化し、最後の“Do you wanna die?”では、完全に絶叫になった。
「つらいのはこっちだって思ったんですけど......」と、雨の中タフな状況でがんばるオーディエンスたちを見てつぶやき、「つらいことばっかりですね。すみません。楽しい日にしたかったんですけど......なんか、野戦病院みたいになっちゃって」と伝える五十嵐隆。大丈夫です、そもそも楽しい気持ちになりたくてsyrup16gを観に来たこと、一度もないので。と、言いたくなった。
五十嵐隆がsyrup16gの解散後に始めたソロ・プロジェクトで、ライブを数度行ったのみで解散した「犬が吠える by Takashi Igarashi」の曲など、音源としては未発表になっていた曲を集めて、再始動後のsyrup16gで新たにレコーディングした──つまり『delayedead』と同じ趣旨で作られた2017年のアルバム『delaidback』からの「赤いカラス」。