2022年4月13日 11:00
『エレファント・ソング』井之脇海インタビュー「主人公マイケルとは何者か探し当てたい」
失踪したマイケルの担当医はどこへ行ったのか、解決に向けてマイケルが提示した3条件は何を暗示しているのか、そしてマイケルとは何者か──。彼の悲しさを滲ませつつも、会話劇の中にヒリヒリした緊張感が常に横たわっている。その様子を、固唾を飲んで見守っていただけるのではないでしょうか。
──物語の結末を知ると「愛を渇望する人物」というマイケル評も腑に落ちるのですが、ラストにいたるまではグリンバーグを翻弄して喜んでいる気さえするほど得体の知れない人物像が浮かび上がってきます。実際に本読みで寺脇グリンバーグと対峙してみて、いかがでしたか?
僕が言うのはおこがましくて恐縮なのですが……本当によくできた戯曲で。だから台本通りに喋るだけで、自然とピリピリした空気になるんですよね。わざわざ緊張感を醸さなくてよい。これ、寺脇さんと本読みを一度しただけで実感しました。
どう見えるか追求するより、「キャラクターの感情を同期させてセリフを発することが大切なんだ」と早めに気づいたことは収穫だったかもしれません。
──寺脇さんを翻弄することはおもしろいですか?
すごくおもしろいです(笑)。寺脇さん、本当に丁寧に僕のお芝居を受けてくださいますし、その逆も「しかり」