LOVE PSYCHEDELICO、TOHOシネマズ立川立飛にて“最高音質”のライブを披露 コロナ禍に提示した新しいライブの在り方
と語っているが、“ルーツミュージックと現代的なビートの融合”という本作のスタイルは必然的に生み出されたものなのだ。
撮影:田中聖太郎
さらに特筆すべきは、『THE GREATEST HITS』が約20年経った現在もまったく色褪せることなく、普遍的な魅力を放ち続けていること。10年代の音楽シーンはEDMなどのダンスミュージックが中心で、“大人数でブチ上がる”パーティ的な音楽がトレンドだったが、ここ数年は少しずつ生楽器本来の響きを活かしたサウンド、フォーキーな楽曲に流れが戻ってきている。(テイラー・スウィフトの新作『foklore』に代表されるオルタナ・フォークの盛隆は、現在の潮流を端的に示していると思う)底流しているのは、ルーツミュージックの現代的な解釈という方法論であり、それは『THE GREATEST HITS』の在り方ともつながっている。この日のライブはほぼ原曲通りのアレンジで演奏されていたが、それはおそらく本作のタイムレスな魅力に対するKUMI、NAOKIの確信の表われであり、「そのままの音で楽しんでほしい」という思いでもあったのだろう。
電子音を抑え、アコースティックな音響にこだわった演奏、サウンドメイクも印象的だった。