真田広之インタビュー。超大作『SHOGUN 将軍』は「僕にとって“最初の一輪”」
も含め、日本の専門家が細部にいたるまで徹底的にこだわり抜いた。“日本人が見ても違和感のない海外の作品”がこうして生まれた今、この流れは他の国にも広がっていくかもしれない。
「そうなればいいなと思い続けてきました。“異文化を描く時にはこの作品のようでなければならない”というものが、こうしてできたわけですから、この作品が“ニューノーマル”になってほしいと思っています。異文化を描く時にはここまでやらなければ、クリエイターとして恥ずかしいよ、と言われるきっかけになってほしいと思うんです」
なぜ、真田広之は海外に拠点を移してまで、日本人の文化や魂を世界に伝えようとしてきたのだろうか? 流されることなく、仲間をつくり、丁寧に説明し、自ら率先して動いてきた原動力はどこにあるのだろうか? 真田は「どうでしょうか……」と少し照れ笑いを浮かべてから、穏やかに話し出す。
「日本で活動していた頃から1作、1作の積み重ねと言いますか、導かれてきた感じがするんです。この作品のテーマでもありますが“宿命”のようなものを僕は少し感じていますし、これまでのすべての作品が僕をここに導いてくれた気がするんです。どれかひとつでも欠けていたら、違う道を選んでいたかもしれない。