真田広之インタビュー。超大作『SHOGUN 将軍』は「僕にとって“最初の一輪”」
シェイクスピア(真田は1999年と2000年にロイヤル・シェイクスピア・カンパニー公演『リア王』に出演し、名優ナイジェル・ホーソンらと共演した)がなければ、『ラスト サムライ』に飛び込まなかったかもしれない。『ラスト サムライ』がなければ次もなかった……何ひとつ欠けてもここにいないと思うんです。
だから、すべての作品との出会いに感謝していますし、畑を耕し続けて種を植えて水をやって、この作品でプロデューサーというタイトルを得たことで、そこに“光”を当てられた気がするんです。それまで欠けていたもの、最後の大事なものがやっと備わった。だからこの作品は僕にとって“最初の一輪”なのかもしれないですね」
そう、本作は真田のこれまでの集大成であり、次なる章のはじまりを告げる作品なのだ。
「自分の中でも“はじめの一歩”という言葉が出てくるんです。そうしなきゃいけないとも思っています。これがゴールじゃないことは本能的にわかっていて、これを布石にどこまで行けるのか、後進をどこまで育てられるのか。
僕が大先輩から受け継いだものを、伝えていくポジションになってきたと思うんです。年齢的にも。
そこでプロデューサーという新たな経験をしたことで、還暦を過ぎて新たな一歩を踏み出したので、毎日が本当に楽しいんです(笑)。