2021年6月18日 12:00
DAZZLE主宰・長谷川達也が目指す、誰でも親しめるダンスパフォーマンス
DAZZLE(C)飯野高拓
──公演のリリースによれば、「すでに配信停止になった曰く付きのオンラインゲーム「東京C」を背景に、誰が何の為にそれを製作したのか、その謎を解き明かしながら、翻弄されていく者たちの姿を描く、マルチストーリーの舞台作品」、と。選択によって変わっていくとは言え、変わらないテイストというと?
現代か近未来の東京をイメージした、厳しく規制の敷かれた社会が舞台です。人々が抑圧されていて、それを開放するものとして、オンラインゲームがある。今、オンラインゲームの世界では“オープンワールド”と言って、自分が好きなところに行って何をしてもいいというゲームが多いんです。そこでは、悪人になっても善人になっても、極端な話、人を殺してもいい。戦争体験ができるゲームは大人気です。戦争に行きたいわけはないけれど擬似的に体験したいと願っている人は沢山いるということですよね。それは人間の本能の一部なのかもしれない。
『NORA』は、理性と本能、現実と非現実みたいなところを行き来し、そこにどんな正義あるいは悪があるのかを問う作品になっています。
──私たち観客は、あたかも自分がゲーマーのように舞台上の物語を選択し、見ながら翻弄され、さらにゲーマーが翻弄されている舞台上の世界を見る、と。