家入レオ『NOT ALONE』ツアー初日レポート「会いたいと思ったらツアー組んで。もっともっとみんなに届けたい」
Photo:旭 里奈
正直、こんな家入レオを見るのは初めてだった。ステージから客全員の顔が認識できるであろうサイズのライブハウスで、ひとりで弾き語るところと、サポートギターが入ったアコースティック形態、そして客とのトークを楽しみながらマイペースで進んでいくライブ。
ツアー『NOT ALONE』の初日を飾る柏PALOOZAに現れた家入レオはここで、これまで見せなかった表情を見せてくれた。極限まで音数を絞った演奏と、ブレスまで聞こえる近距離でうたわれる歌。客席の全員とアイコンタクトをとりあい、ともに歌うことで深まっていく絆。
そんな感動のひとつひとつは、彼女の中にアーティストとしての新たな方法論が根付いたこと、今現在の生き方に対して明確な答えが出ていることを証明していたように思う。
そもそもこの日の家入レオは、登場した瞬間から一味違っていた。大きめなTシャツにゆるっとしたパンツ、スポーティーなサンダルというラフな衣装で現れ、シャカシャカと小気味よくギターを奏でて爽やかなナンバーを一曲。アコースティック・ギター1本という極限的に少ない音数の中で聴く家入レオの歌声は、ブレスやビブラートのどれもがより生々しく響き、フルサウンドの環境で聴くそれとはまったく違った温度を感じさせる。