『マティス展』展示の模様をレポート! 油彩・彫刻・切り紙絵など約150点がポンピドゥー・センターから来日
《金魚鉢のある室内》1914年ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵
《コリウールのフランス窓》は、第一次世界大戦勃発の翌月に描かれた作品。画面中央が黒く塗りつぶされて、窓が閉じているのか開いているのかがわからない。なにかを暗示しているかのような、謎めいた作品だ。
《コリウールのフランス窓》1914年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵
3章「並行する探求─ 彫刻と絵画1913-1930」は、マティスが手掛けた彫刻のみが展示される。《背中I–IV》は、左端から右端の作品まで20年以上の月日をかけて制作された大作。時代を経るにつれて、対象が単純化されていることがわかる。この4点の作品は、マティスの転機となる絵画作品が制作された時期に、それぞれ制作されていることが判明している。
《背中Ⅰ-Ⅳ》1909〜1930年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵
マティスは、活動拠点をパリから南仏のニースに移した。環境を大きく変えたマティスはそれまでよりも小さなカンヴァスを用い、そして多作になるなど、制作スタイルも大きく変わっていく。4章「人物画と室内画 1918–1929」では、ニース時代の人物画や室内画、ドローイングを取り上げる。