『マティス展』展示の模様をレポート! 油彩・彫刻・切り紙絵など約150点がポンピドゥー・センターから来日
続く5章「広がりと実験1930-1937」では、マティスの助手を務めたリディア・デレクトルスカヤを描いた作品を中心に紹介する。リディアは《夢》のモデルをつとめたあとマティスのお気に入りモデルとなり、晩年までマティスに付き添っていた。
《赤いキュロットのオダリスク》1921年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵
《夢》1935年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵
第二次世界大戦が始まると、マティスはニースから離れた町、ヴァンスへ居を移す。ヴァンス時代のマティスは「室内画シリーズ」を多く手掛けた。《赤の大きな室内》は、シリーズの締めくくりとなる作品。そしてマティス最後の油彩画でもある。
《赤の大きな室内》1948年ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵
1941年、大病から生還したマティスは、ベッド上でハサミを自由にあやつり、切り紙絵を制作し始める。7章「切り紙絵と最晩年の作品1930–1954」では、20点の切り紙絵をもとにした画文集『ジャズ』や、《オセアニア、空》、《オセアニア、海》など、鮮やかな色彩と自由なフォルムの作品が並ぶ。
展示風景より《オセアニア、空》、《オセアニア、海》1948年ポンピドゥー・センター/国立近代美術館蔵
「ジャズ」