『思い、思われ、ふり、ふられ』原作者・咲坂伊緒 インタビュー 「時代が変わっても変わらない、普遍的な女の子の気持ち」
本作の原作者である咲坂も、「アニメでしかできない表現を楽しんで欲しい」と太鼓判を押す。
「例えば、由奈にとって大切な“絵本の中の王子様”のシーンも、まるで夢みたいな色味で、漫画では描けないような表現をふんだんに取り入れてくれました。絵が動く、声や音が吹き込まれるのはもちろんのこと、オリジナルのシーンもあって、原作者としては新しいエッセンスが入っていたのも嬉しかったです」
切なくも優しい読後感が原作の魅力。それをアニメーションにするにあたって、脚本段階で打ち合わせを行ったという。それは「キャラクターを誤解してほしくない」という想いからだ。特に朱里の一見サバサバしたキャラクターは、連載当初は読者から誤解を受けることもあったそうだ。
「もちろん、ストーリーが進むにつれて誤解は解けるように描いてはいたけれど、“わかってたけど、こんなに?”という。描いている側としては、朱里に申し訳ない気持ちになったんです。
アニメでも、声優さんの声のトーンひとつで、観ている人の受け取り方が変わってしまうと思ったので、事前に脚本家の吉田恵理香さんとすり合わせをさせてもらいました」
そして、アニメ化でも大切にしたかったのは「生っぽさ」